ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
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【実例ブログ】正直たまにはカサンドラ

元カサンドラ。
このブログで、そう公言してきました。
でも、正直いえば、完全離脱はできていません。

かつては、頭からつま先まで、ヒタヒタ沁み沁みのカサンドラでした。
自分がカサンドラ状態に侵されていることにも気付かないくらい、全身がカサンドラ。
そんな状態だったと思います。

図らずも憤慨させられる出来事は、日々相変わらず発生していますが、それがどういう背景で、どういう構造で、そうなっているのか?が比較的短い時間で解読できるようになったことで、自分のアンガーマネジメントが以前よりは上手くできるようになりました。

とはいえ今でも、まだ体内にカサンドラが多少残っていて、時折その存在に気付いては手をぶんぶんと振り払って、カサンドラの残骸を指先から払い落としているような、そんな感じです。
我ながら、変な表現ですが…

ちょっとカサンドラになりかけた、ある日のできごと。

母親と子どもの関係性は、一般的に父親よりは密接。
だからこそ、夫がメインになって父親としての役割を果たして欲しいときがあったりしませんか?

子どもにとってはマイナスに感じるルール(禁止事項)を教育上伝える必要がある場合など、その後も向き合う時間の長い母より、接触機会の少ない父からサラっと言ってもらったほうが、母子関係を無難に良好に保つのに都合がよい場合などです。

日頃、飴も鞭も母がほぼひとりで担当していますので、週末の鞭くらいは父が担当してうまくバランスをとって欲しい、そんな思いもあります。

先日、夫に、息子の認識の気になること(社会的に好ましくないこと)を相談し、世間の一般的な常識を教える必要があることを夫婦間で確認しました。
学び取ることが難しい特性があるため、誰もが知っているような社会のルールでも知らない場合があり、今回はそれに該当するようなケースでした。

今回は家庭内の円満のために、そのルール(いわゆる禁止事項)を「あなたから息子に伝えてほしい。」と夫にお願いしました。

しかし、わたしの意図した方向に物事は運んでいかず、結果としては無駄に憤りを覚える展開になってしまいました。

それは夫が典型的なASD的行動パターンをとったからです。

「気を抜いてコミュニケーションすると、想像だにしない方向に進んでいってしまうことに、いいかげん気付けよ、自分。」といつも後になって思います。

これが、わたしがまたちょっとカサンドラになりかけた、ある日のできごとです。

今回の典型的なASD的行動パターンとは、「字義通りに行動する」ということなのですが、どういう構造で、そうなったのか?わたしなりに読解したことを共有させていただきます。
どなたかのお役に立てたら本望です。

伝えたことの捉え方が、予想・期待とまったく違った

「あなたから息子に伝えて」の捉え方が、わたしの予想・期待とまったく違っていました。

まさに字義通り、彼にとってのミッションは「伝える」。以上でした。
それ以外に特に考える必要性を認識していないという意味です。

「あなたから息子に伝えて」 ~わたしの趣旨~

自分にとってマイナスに作用するルールを受け入れるのは、ASD特性のある息子にとって、非常に難しい(パニックを起こしやすい)ことを、夫はわたしの次に理解しているという前提で…

子どものことを真剣に考えて、最もよく伝わるタイミング・方法を検討の上、行動してくれることを期待していました。

具体的には、

  • 聞き入れやすいよう、タイミングを計ってほしい。
  • ルールの背景にある一般常識の理屈を分かりやすく伝えてほしい。
  • 具体的な事例を出すなど、ルールを理解しやすいように工夫して伝えてほしい。

ASDタイプの子に伝える場合には、ご存じの通り、あれこれ注意点があるからです。

つまり、わたしが期待していたのは父親としての役割を全うしてくれることでした。

「あなたから息子に伝えて」 ⇒ ASDタイプの夫がとった行動

1)わたしに依頼された次の瞬間に、すぐ息子に伝えに行こうとした。

息子は勉強中で自室にいました。突然部屋を訪れて勉強を中断した上で、禁止事項を伝えるなんて、息子への配慮にあまりに欠けるのでひとまず制止しました。

息子はその日、外出等の予定が立て込んでおり、食事中、もしくは食後の数分くらいしか好ましい時間帯はないとわたしは考えていました。
ところが、食事中もその後も、夫は一向に口を開きません。

夫に依頼したのに、口をはさむと激高する傾向があるので様子を見ていましたが、仕方なく、息子が席を外したときに、いつ話をするつもりなのか尋ねたところ、「自分のタイミングがあるなら、最初から言えよ!(息子に)時間がないなら、やはりさっき伝えに行けばよかったじゃないか!」と予想通り激高。非難されているように感じてしまうようです。

そのときは即座に上手く説明できませんでしたが、後で “そもそも、わたしかあなたのタイミングではなく、息子にとっての最良のタイミングを検討すべき”ことを伝えました。
「そもそも息子にとってベストなタイミングを検討した?していないよね?自分のタイミングではなく、大切なのは息子のタイミングだよ。」と言われて我に返ったようでした。

聞けば、息子が帰宅してから話すつもりだったとのこと。

でも、その日の息子の帰宅予定は夜。
超マイペースで急ぐのが苦手な息子にとって、寝る前は1日の山場であって、自分にとって不利益なルールを伝えられて冷静に聞く耳を持てるような時間帯ではないのです。

今日の持ち物の片付け、入浴、寝る準備、明日の準備、帰宅後の息子はやることがいっぱいで、それだけでアップアップですし、翌日の心身の健康のために、睡眠を確保すべく、テキパキと行動することが最重要です。

そういうことをあれこれと考える視点を夫は持っていなかったようです。

2)息子に伝えて、秒で戻る

「じゃ、やっぱり今行くよ!」と吐き捨てて、勉強中の息子に伝えに行き、30秒もかからず夫は戻ってきました。

本当に息子が納得できる伝え方をしてきたのか?甚だ疑問な対応時間。

「ちゃんと伝えてきたの?」と聞くと、「ちゃんと言ってきたよ。」と。
その言葉と裏腹に、案の定、ドタン!バタン!と息子は癇癪を起こしていました。

当然、夫はわたしの思いをまったく汲み取れていません。
父親としての役割を果たしてほしいという願いも通じていません。

なぜ、そうなってしまったのか?

それは、事前の打ち合わせが夫とわたしの間での会話、つまり夫婦という単位での会話だったので、夫は夫であって父ではなかった。だから父の視点に切り替えることが難しかったのではないかと思います。

わたしは、息子の教育について、母として、父である彼と話し合ったという認識でしたが、夫には、父として話し合ったという認識はなく、父としての意識が働いていなかったのです。

夫として、妻に言われたことを、妻の代わりにやった。以上です。

これ、よくある落とし穴なのです。

『あなたから伝えて』を、夫は、わたし(妻)の行為の代理をすることとして捉えていたのだと、後になって気付きました。

『買い物に行ってきて。』と言われたときと近い感覚です。
(そもそも論でいえば、買い物も本来わたしの代理ではないはずなのですが…まぁ、置いといて)

今回の『あなたから伝えて』もまるで雑務を処理するかのようでした。

こんなふうに構造を捉えられていない頃は、

大事な我が子のことなのに、なぜ雑務をこなすように相対するのか、強い憤りを覚えていました。

まとめ:カサンドラに陥らないための大切な視点

母子の関係性を良好に保つために、父として、バランサーとして機能してほしいという願いは、明確な意思伝達なくしては叶いません。
時間をかけて、背景・目的等をすべてを説明しないことには、こちらの趣旨は汲み取ってくれないのです。

ポイント

人格的に何か問題があるわけではないので、ちゃんと伝われば快く対応してくれます。

実は、(意外にも笑)父を尊敬している息子。日頃から言葉の端々にそれを感じます。
また、少年のままの部分が多い夫なので、親しみやすく話しやすい父でもあります。
それもあって、夫経由で息子にルールを伝えようと思い立ったのですが、夫には特に伝えていませんでした。

今になれば、夫に、息子の父への高評価をそれとなくインプットして、父としての自覚を刺激してから「父であるあなたから息子に伝えて」等と依頼できたらよかったのだろうと省みています。

次は、時間的に余裕がないなら、わたしが自分で息子に説明するのが堅実だなと思いました。
時間があるなら、上記を強く意識してきちんと伝えて役割分担する選択もありかもしれません。

そんなことを改めてインプットした、ときどきカサンドラなわたしでした。

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