ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
ASD子育て

APDの診察を終えた当事者がお伝えしたいこと

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APD診療の現実リアル

調べてみたところ、現時点では耳鼻咽喉科で受け入れているところが多いようで、我が家は国立の独立行政法人…という位置づけの大きな病院に行きました。

この時点で自身にも症状のある身としては「耳なの??」と思いました。
聴覚検査で異常が出たことなどないからです。わたしは医療の専門家ではありませんが、体感的に、耳ではなく脳じゃないかな?と思っていましたが…。

当日、まずは一通りの聴覚機能検査を行い、次に対面での検査がはじまりました。
大きさの異なる複数の三角形四角形円形の小さなパネルを用いて検査するのですが、先生がパネルについて指示を出し、それに患者が従い動作します。少しずつ色、大きさ、形と要素を増やして難易度が高まります。

わたしも自分ができるかどうか?試すつもりで見ていました。

検査がはじまって、先生が手引書のようなものを片手に進める光景に目を疑いました。説明書を読みながら進めるので、当然たどたどしくなります。

「赤い、四角を…、青い、丸…の上に、置いてください。」という具合です。

口頭による連続する情報をキャッチしきれないのが特性(特徴)ですので、あんなにたどたどしく、情報を分割して指示を出されたら、誰でも聞き取り(覚えておくこと)が容易になってしまいます。
あるいは聞き取れないことに配慮してくださって、たどたどしくしたのかもしれませんが…。でも配慮したら検査になりません。

いずれにしても、たどたどしい時点で検査として成立しないと思います。

そして、診断の結論としては「あれはイタリアの有名な検査なんだよ。結果としては何の問題もありません!聞き取りづらいのは皆に等しくよくあることですのでね。大丈夫!」でした。

期待せずに受診したわたしですら、肩を落としました。
先生曰く「実は昨日も他県(遠方)から同じようなことで親子がいらっしゃいましたよ。君と同じように、検査では何の問題もなかったので気にするなと言ってやったら元気に帰りましたよ!」
本当に、本当ですか?!
困難が解消することや治癒することを夢見るからこそ遠方からお越しなのに、そんなわけないと思います。
その話を聞いて、本当に胸が痛みましたし、自分自身のダメージもより強まったように思います。

実は、検査で息子が一度失敗しました。そして、わたしも同じところで引っかかりました。
それを先生に伝えようか一瞬迷いましたが、訴えたところで、この先生から得られるものがあるとは到底思えなかったので言葉を飲み込みました。

たどたどしく指示を出されたのに、情報の要素が増えると聞き取れませんでした
「赤くて、大きな、四角を、青くて、小さな、三角の下に移動してください。」というようなものだったと思います。
ぜんぜん問題なくありません。問題は存在しています。

APD当事者に最後にお伝えしたかったこと

この記事を書いたのは、診察にたどり着くのも困難な状況であること、それに比して得られるものがあまりない現状であることを伝えたかったからです。

わたしが最初に予約しようとした病院では「今、APDの診療予約が殺到していて、翌月(2月)1日に来年2月の予約を受け付けるんです。それでも宜しければ…」ということでした。

前述のとおり、まだ診断方法すら確立されていません。
国内に何年もAPDを研究され、専門としておられる先生もいらっしゃるようですが、その知識や診断方法は広く浸透していないことを身をもって知りました。
国立の独立行政法人ですら、この状況だということを承知の上で予約と受診をしてほしいと願っています。受診後にかえって辛くなると悲しいからです。

もちろん、医療機関とつながっておくのは有意義だと思います。わたしも息子の様子を見て再度別の機関を受診させることも検討しています。
しばらくは不安かもしれませんが、ひとまずは情報を収集しながら、お子さんに対処法を知恵として授けるのが現実的な段階な気がしています。

また、少し触れましたが、本人はまじめで一生懸命なのに「何度言っても指示に従わない」反抗的な子と誤解されないための学校への働きかけなどの環境調整が望ましいと思います。

最後に、患者と真摯に向き合い、診療を施してくださる医師もたくさんいらっしゃると思いますが、患者、その家族の気持ちに寄り添って、医療機関には、自分の専門ではないことや診断を下すのが現状では難しいことを患者に明らかにしてから受け入れてほしいと思います。

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