ASDタイプために “家庭外の環境を調整する” 必要性について
わたしが息子の特性に気づいたばかりの頃によく思ったのは、
一見分からないし、わたしが産んだのに不思議だけど…
同じ言語を話しているかのように見えて、実は違う言語・文化を持って生まれてきたという捉え方をすればいいんだろうな。
ということです。
これは、逆もしかりです。
むこうからしても、同じようでなんか違う。なぜか噛み合わない。
でも、どこがどう違うのかの説明は互いにつかない。
この相違を理解して相互に歩み寄るのが、本来、理想的な社会のあり方だと思います。でも、それを家庭の外に期待するのは今のところ現実的ではないと思います。
暗黙の了解で、やはりASDタイプのほうが定型タイプに寄せていくことを求められると思います。
でも、それを子どもに求めるのは無理難題というものです。
そんな無理難題を突きつけられた子どもは、必死で自分を守る以外になす術はありません。
先程の子のように、不要なスキルを身に着けてしまうなどの弊害が生じることになりかねません。
だから、『大人のほうが相違があることを念頭において、子どもに向き合う環境』を家庭の外にもつくってあげる必要があるということです。
その外の環境を調えることが、今回のテーマの “親のミッション” です。
ミッションとまで位置づける理由を以下に示します。
社会とフレンドリーであることの重要性について
社会に対して子どもがフレンドリーであることは、子どもの将来のためにとても重要なことと考えます。
社会と仲良くやれないと、生きていくことが難しくなるからです。
孤立したら、人は生きていかれません。
特性への理解のない環境で、孤立無援で戦い続けると社会へのフレンドリーさは失われてしまうのではないでしょうか。家庭とのギャップがある場合は特に。
外の世界もちゃんと自分を理解してくれる場であり、敵対する場、怖い場所ではないのだとお子さんが思えることはとても重要なことだと考えています。
フレンドリーな状態で社会に送り出してあげたいですよね。
【実例】独りで戦わせないための我が家の「環境調整」
ASDの子に合った環境にしてあげることを環境調整といいます。
下記を目的として、息子の小学生時代、担任が代わるごとに、息子の理解者になってくださいとお願いする気持ちで、特性を先生にご説明するために学校に足を運びました。
これも環境調整のひとつだと思います。
※別の記事でご紹介していますが、わたしは息子の特性を公表はしていません。学校側にも要配慮個人情報としての扱いをお願いしていました。限定的に情報開示して理解を得るようにしています。
こちらの思いを汲んでくれないような先生はひとりもいませんでした。先生方のご理解のおかげで、息子は小学生の6年間を楽しく過ごすことができました。
園や学校とよい連携をもって、お子さんにとってやさしい社会環境へと調整してあげるのは、良いことづくめです。園や学校とすれ違ってしまった親御さんが、再検討してくださる機会になったら嬉しいです。
すべてのASDタイプさんが穏やかな学校生活を送れるよう、祈っています。