ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
ASD子育て

外にもよき理解者をつくる ~学校への働きかけ~

understander_title
ASDの息子と噛み合わずに困惑と衝突を繰り返す日々でしたが、特性を理解し、きちんとサポートできる母になりたくて奮闘してきました。
これまでの子育ての学びや気付きをこのブログでご紹介することで、同じ境遇の方のお役に立てたらうれしいです。

ASDタイプの子を独りで戦わせないこと、外の世界にも理解者をつくることが子育ての重要ミッションだと別の記事にも書きましたが、今回は、具体的に我が家ではどのように学校に働きかけてきたかをご紹介します。

【大前提】
本人にASDであることは告げていません。当然、息子のASDについて学校で公表する方針はとっていません。あくまでも理解していただきたい担任の先生にのみ特性をご説明してきました。開示する情報は、要配慮個人情報としてのお取り扱いをお願いしています。

学校に理解者をつくる目的とは

学校に働きかける目的 大きくは3つ
  • 先生に理解者でいてもらうため…子どもが安心できるように
  • 不必要に叱られる機会を極力なくすため…自尊心、自己肯定感を損なわないように
  • 困ったときに手を差し伸べてもらうため…悲しい思いをしないように

この中でも、いちばん重要視していたのは、

子どもが特性への理解がない環境で、怒られて日々を過ごすことを避ける

ことです。

わたし自身、子どもに特性があるとはっきりと認識するまで、四六時中叱っているような状態でした。
毎日怒られ続けるということは、苦痛以外のなにものでもありません。
その結果、自尊心や自己肯定感は損なわれ、ひどい場合には二次障害を発症してしまいます。
絶対にそれだけは避けたいので、学校に足を運んで、特性をご説明し、ご理解いただけるようお願いしてきました。

ところで、なぜ怒られてしまうのか?

それは、以下のような誤解を生むことが多いからです。

【具体例】学校で想定される誤解

できるのにやらない凸凹の凸を見ていると、とてもできないようには見えず、「やらない」のだと判断されてしまい、怠惰、反抗的、もっと悪いと挑発的と思われてしまう。
聞いていない抽象的な指示の場合、指示者の意図が理解できず、あるいは指示に対応する選択肢が多すぎて困惑してしまい、不安なので何度も聞き返す、もしくは行動に移せないということが起こり得ます。
「なぜちゃんと聞いてないの?!」ととがめられてしまう可能性があります。
態度が悪い姿勢を保つのが困難なことも特性として挙げられますが、授業中にクネクネしたり、肘をついて上体を支えたり、イスに寄っかかったりと、傍から見ると態度が悪いように見えてしまいます。
生意気正誤にこだわる特性があるので、先生の発言に誤りがあった場合などに、つい指摘してしまい、先生が気分を害するということが起こり得ます。
また、これは立場(上下関係など相手との関係性)を踏まえたコミュニケーションを苦手とする特性とも関係します。
自己中心的空気が読むのが困難で、間が悪い特性ゆえの誤解です。状況を見極められないので、先生にとって都合のよくないタイミングで質問してしまったり、発言権のない場面で発言してしまったりします。

ASDご本人向けの記事ですが、暗黙の了解を説明する情報を少しずつアップしています。
以下も学校で想定される誤解のひとつといえます。

先生にお願いするときのポイント

先生の時間を取らないよう、また見返してもらえるよう、特性を説明する資料をお持ちする。

ただし、お願いするのは補助してほしいことではなく「どうかご理解ください、ご容赦ください。」ということです。
わざとじゃない、悪意はない、ましてや敵意などないことをお伝えするのが趣旨です。
ハンディキャップゆえのものと知らされているのに怒る先生はそういないと思います。

また、してほしくないことを「しないでください」と伝えるのではなく特性への理解をお願いするスタンスで話をします。

「ニュアンスや暗黙の了解を汲むことはできないので、そういう語り掛けは止めてください。」
↓こんな風に言い換えます↓
「ニュアンスや暗黙の了解を汲むことは苦手なので、理解できず、考え込んで固まってしまったり何度も聞き返してしまったりするかもしれません。お手数をおかけしますが、その折には何卒宜しくお願いいたします。」
言い換えの例

「そうならないように、働きかけに気を付けよう。」と先生自身が思ってくれることを期待します。
直接的に要望を伝えないのは、数十人を受け持ち、そもそもオーバーワークと言われる先生に “あれやってほしい、これやってほしい” というスタンスで挑むと、拒絶反応が出かねないからです。
倫理観に微妙に訴えながらも、直接的な依頼は避け、主体的に考えてくれるように情報をお渡しします。

あくまでも理解者をつくることが目的です。
頭を下げて、どうか宜しくお願いします…が原則です。

ASDタイプのお子さんは、“正確なこと”にこだわりがあるので、とてもまじめです。ルールから外れるようなことはあまりしません。
そういう良い面については積極的に宣伝します。

例えば、

まじめで、指示にちゃんと従いたいという気持ちが人一倍強いので、わからないときは何度も聞きに行ってしまうかもしれません。また、状況を把握する力が弱いので、タイミングが悪いことが多いと思いますが、宜しくお願いいたします。

様子を見ながら、提出書面の概要をご説明し、あちらから質問があればお答えし、「くれぐれも宜しくお願いいたします。」と頭を下げます。

担任の先生にご挨拶がてら、毎年お願いに上がりますが、

「事前に教えていただいてよかったです。気を付けますね。」

と、皆さん快く理解を示してくださいました
実際、なにかあればご連絡をくださったり、起こったできごとについてご説明したことで誤解が解けたり、よい連携を持つことができました。

また、毎年クラス替えだったので、学年の終わりにご挨拶に伺うとともに、担任の先生の選出にご配慮いただけたら嬉しいというお願いもしていました。
担任の先生に権限がなくても、上長に伝えていただけると思います。
具体的には、「体育会ノリで圧をかけたり、自分で考えて行動することを良しとして空気を読むことを強要するような昭和なタイプの先生には対応が難しい。」ことをお伝えしていました。

今回の記事でなにかのお役に立てれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました