ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
ASD子育て

APDの診察を終えた当事者がお伝えしたいこと

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この記事は、APDの症状があるご本人や、お子さんに症状があり不安を抱えていらっしゃる親御さんのための情報です。母子で症状があり、先日診察を終えた当事者としての実体験を語ることでお役に立てればと思っています。

わたしと息子の症状について

昨年NHKで取り上げられたようで、APD(聴覚情報処理障害)が注目を集めているようですが、その症状は「聞こえているのに聞き取れない」とよく表現されています。
日本に限らず、まだ原因の解明、明確な診断基準の確立もされていないのが現状のようで、治療法も確立されていません。

わたしも同じようなことで悩まされてきて、少し前にそれがAPDというものだとたまたま知り、「やはりおかしかったのか。。。」と変な話、少し安堵したような気持ちになったところでした。
わたしは、もういい歳なので症状と共生することにある程度慣れてしまっています。

ところが、つい先日、息子から「部活中に指示されることが聞き取れなくてとても困っている。」と打ち明けられました。
そうなのか。なんてこった。
何にどんな風に「困る」のかがわたしにはよく分かります。
聞こえています。だから、必死に注意をそちらに向けています。
ところが、まったく頭に入ってきません。
どうでもいいと思っていて聞き流したりすれば、そういうこともあると思いますが、真剣に聞く姿勢で必死に向き合っても頭に入ってこないのです。もっと具体的にいうと、街にあふれる雑音、自然音のように、人の発話がただの音にしか聞こえないという感覚です。

聴覚検査で引っかかるわけでもなく、対処するしかありませんでした。

身に着けた対処法3つ
  1. バラバラの1音1音を、ひとまず掴まえて収集して、記憶して、文節として区切って、単語として再構築する。
  2. 音の中から助詞、接続詞など、不要な単語を無視して、必要なキーワード(おもに名詞と動詞)だけ浮き上がらせるように集中する。
  3. メモをとる。
身に着けた対処法の解説図

1番よいのはメモを取ることです。
それができれば、聞き取る状況への対応もさほど困難ではないかもしれません。
あと、わたしの場合、パソコンのおかげでかなり楽になりました。ブライドタッチを習得しタイピング速度は早いので、ひとまずは漢字変換などせずに、ひたすら音を拾って入力して、隙を見て入力済みの文を見ながら意味の分かる文章へと再編集して理解していました。

しかし、学生の頃は、こうはいきませんでした。
教室での座学であれば、板書してもらえれば、視覚からの情報もあるのでそんなに苦労はありませんが、口頭指示のみになってしまう運動系はとても辛いものがありました。
体育の授業と部活動(運動部)で、複雑な指示を出されようものなら、脳内はパニックです。
対処法としては、ひとりずつ順番に動作する場合は、2つ前の人をガン見して、動作をしっかり記憶し、自分の番でそれを模倣するという方法をとりました。
指示したことを皆で一斉にやりなさいというときはお手上げで、運を天に任せるような感じでした。
周りの様子をチラチラと盗み見て、真似をするという対応しかできませんでした。
他の生きる知恵としては…1.素直に謝る、2.愛嬌を身に着ける…でしょうか。
一度目は失敗してもそんなに怒られないので、爽やかに謝って、もう一度教えてもらい、二度目で何とかするという感じです。

文面では伝わらないかもしれませんが、聞くシーンで対処するには例のアニメのような全集中が必要となりますし、また失敗への恐怖心不安感からのストレスも相当です。帰る頃には本当に消耗しています。

それを身にしみて分かっている母としては、息子の困り事に対応すべきと判断し、改めてAPDの受診について調べ直しました。
※このブログで取り上げるのは、どうやらAPDとASDは共存していることが多いらしいからです。当事者としては素人感覚ですが、別ものというよりもやはりASDの症状のひとつな気がしています。

困り事の存在が医学的に認められている今であれば、改善の余地があるのかもしれないと思い、受診することにしました。
ただ、あまり期待はしていませんでした。
そして、笑ってしまうほどに悪い予感は的中しました。

診察の実体験を引き続き綴ります。

それよりも、学校での困り事を少しでも緩和する方向で動くほうに重きをおいていました。
顧問の先生の日頃の様子から、信頼できる方だと思えたので、思い切ってAPDの症状についてお話し、ご理解をいただくために動きました。人の話を聞いていない不真面目な生徒と誤解されないように。別記事でも学校への働きかけについて綴っています。

APDではなく、ASDの話ですが、学校へのアプローチの仕方の大枠は変わりませんので、宜しければご一読ください。

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