ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
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肩こりと発達障がい

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ASDの息子と噛み合わずに困惑と衝突を繰り返す日々でしたが、特性を理解し、きちんとサポートできる母になりたくて奮闘してきました。
これまでの子育ての学びや気付きをこのブログでご紹介することで、同じ境遇の方のお役に立てたらうれしいです。

最近よく目につくのが「発達障がいが急増した」というワード。
わたし個人としては、とっても違和感を覚えています。

発達障がいが急増したわけではないと思うのです。
それを思うたびに、ある人の、とあるエピソードを思い出します。

外国の方にはわからない、肩こりは日本特有の概念でした

むか~し、確かアフリカがご出身のタレントでサンコンさんという方が興味深いことをおっしゃっていました。

「わたしの国には肩こりなんて概念がなかったから、日本に来て肩こりになったよ。」

肩が凝るという概念を持っていなかったから自覚することができなかったが、日本に来て肩こりという概念(どこにどんなふうに症状が出るものなのかという、肩こりの定義=意味内容)を獲得したので、自分が肩こりだったことに気付いたということです。

それまで首・肩の周辺にあった痛みや強張りのような感覚は、意味づけ、定義づけされていなかったけれど、「肩こり」という概念でその感覚と言語がはっきりと結合、認識されたという感じでしょうか。

驚きました。肩こりって概念だったのね!
調べると肩が凝るというのは、確かに日本の独特な概念のようですよ。

発達障がいも概念。肩こりと似たところがある

急な話の展開ですが、肩こりと同じように、発達障がいも概念だとわたしは思っています。

わたし(40代後半)の親の世代が子育てをしていた頃には、「発達障がい」というものは周知されておらず、世間的な認知率は今と比べると圧倒的に低かったと思います。

「発達障がい」という概念が流通していなかったということです。その意味で、発達障がいの人は少なかった。

発達障がいの特性を持った人が少なかったわけではないと思います。

発達障がいの研究が以前に比べて進んだ昨今、概念として整理され、一般に広く知られるようになったこと、さらにSNSなどの台頭により情報発信のあり方も大きな変化を遂げ、以前は限定されていた情報発信の主体がマスメディアから一般の人にまで裾野を広げたことで情報の流通が盛んになった。
そして、発達障がいの情報に触れる人が増えたために、発達障がいの認知が高まった。

自分の特性を自覚する人が増えた。
発達障がいだと気づく人が増えた。

ということなのではないのでしょうか。
何らかの原因により症状を持つ人が急増したワケではないと思うのです。

何でも発達障がいと診断する医師が増えたとか、
発達障がいと診断されたがっている人が増えたとか、
ひどい情報にも遭遇しますが、そういうことではないと思います。

何かに対処するためには、概念化されているということはとても重要なことです。
心の中でモヤモヤしているだけで、それが何なのか、どうしてなのかが分からないちは、対処することも、対策を講じることもできません概念化して、客体化する(いったん自分から切り離して眺める)ことで、分析したり、整理したりすることができるのです。

発達障がいの人の苦しさは、定型とされる人との相違の存在がうっすら分かるものの、それが何なのかが自分では特定できない、説明できない。だから解決できない。そういう苦しさだと思います。
目に見えない人間の性質は、他者と比較することもできませんからね。

でも今では、発達障がいの情報がたくさん入ってくるようになりました。
自分の中で漠然としていた困り事の感覚と、入手したそれらの情報が結びついて自分の中で概念化された人が増えたのだと思います。

それが、「発達障がいが増えた」の正体だと思います。

発達障がい…困り事はひとつのニーズです

実は、わたしは、まだまだ「増える」と思っています。
実数が増えるのではなく、顕在化する数が増えるということです。
なかったものが増えるのではなく、元々あったものが顕在化する数が「もっと増える」と思っているのです。

なぜなら、

  1. ITの発達により情報流通がますます盛んになり、自分の特性を自覚する人がもっと増えるから
  2. ダイバーシティ、ジェンダーレス。日本社会も「多様性」を受け入れることに本腰を入れ始めたことで、発達障がい当事者がアイデンティティとして発信しやすくなるから

上記の2を補足すると、多様性の受容が進めば、発達障がいの概念・定義も再構築されていき(障害から個性寄りの位置づけへと少しずつシフト)、そうすることで発達障がいの特性を自覚して自分のアイデンティティとして受け入れる人がさらに増えるだろうということです。

個人的な肌感覚としては、潜在層は相当数いると思っています。
顕在化して、実数が増えたら、発達障がい者はもはやマイノリティじゃなくなります

少数派じゃないんだという思いが、さらにアイデンティティとして受け入れる動きを加速させて、顕在化する数はさらに増える。そう推測しています。

大手広告代理店(H堂さん)が発達障がいについて本格的にリサーチをはじめています。これはマーケットとして成立するほどの数だと見込んでいることに他ならないと思っています。

H堂さんには、発達障がいを特性・個性として捉えてマーケットを形成していってほしいです。
障がい者と位置づけて庇護する対象としてマーケット形成するか、特性・個性としてニーズと見るかでマーケットのボリュームも変わってきますよね。後者のほうが絶対的に大きくなります。マーケットとしての成長、活性化も後者のほうが期待できると思います、H堂さん!

困っている人がいる。これがキーファクターで、マーケットのアプローチが違うだけです。

障がいじゃなくて、ニーズ

そうアプローチすることで、困り事が表面化しやすい社会になり、マーケットも大きくなります。
『今まで、人間は一種類というような認識で社会が形成されていたけれど、ぜんぜん違っていたようです!実は人間にはいろいろなタイプがあったんですね』って感じの流れになるのが個人的には理想です。

特性の違いは、血液型のタイプ違いみたいに概念整理(再構築)されて、●●タイプ向けのサービス、■■タイプ向けのサービス、という具合に、サービスが選択的に受けられる社会、発達特性の多様性に対応する社会になっていってほしいと願っています。

ニーズに応えるという目線で、世の中がどんどん変革していくことを願っています。


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