このブログのテーマとは少し外れるのですが、ディスレクシアってご存知ですか?
わたしとは特に縁のない症状と思っていたのですが、実はそうではなかったことを、つい先日知りました。子どもの頃から根っからの読書嫌いだと思ってきたわたしには、重度ではありませんが、読むことに困難があったのです。それを知ってからのわたしの読書のお話です。
読めなさの具体例を図などで分かりやすくご説明します。
子どもの頃から読書嫌い
~本当は読めなかったわたし~
わたしは、50歳を目前にした結構な大人ですが、つい先日、本一冊を完読できた嬉しさで涙しました。
恥ずかしながら、この年で読み切った本の数は、大袈裟ではなく数えることができます。その日のうちに数時間で一冊を読み切ったのも、生まれてはじめてのことだったのです。読み終えただけではなく、楽しく読み進められたことに感動を覚えました。
この感動を味わうことができたのは、実は電子書籍アプリの機能のおかげなのですが、まさか自分に読むことの困難があるだなんて思ってもみなかったので、アプリを活用しようなどという発想もありませんでした。
ところが、ひょんなことから、実は読書嫌いなのではなく、読書が難しかったこと、読み方を工夫すれば読めることを知ったのです。
ディスレクシア当事者の記事にたまたまめぐり逢い、その方がおっしゃる “見えなさ、読めなさ” と同じ症状が自分にあることを知ったのです。衝撃でした。
好みの問題ではなく、わたしは読むのが困難だったのか…
横書きより、縦書きが難しい。
そう書いてありました。
確かにそうなのです。横書きのネット記事なら、さほどの負担なく読めます。
でも日本の書籍は、ほぼ縦書き。
だから読書がとても辛かったということに、合点がいきました。
どんな辛さかというと、集中していても、言語としてすんなりとは頭に入ってこず、言語として消化するためには、さらに意識して、集中力を総動員して一行を何回か読み返す、精神疲労を伴う苦行のような、そんなものです。
それを何日も続ける読書は、わたしにとっては全く楽しいものではなく、どうしても途中で挫折してしまいます。
読めなさの症状はいろいろあるようですが、わたしの場合は、文字群の中から、今読んでいるところだけに焦点を当てて、他を注意から外すのが難しい、周辺の文字が今読もうとしている箇所を干渉する、そんなイメージです。必要な情報だけを弁別することが難しいということです。
今読んでいる行だけを見るための定規があるのですが、その代替品として、自分で白い紙を細長くくり抜いて今読んでいる箇所に当てて、読み進めるにつれてズラしていくと読みやすいそうで、やってみたらとても簡単に読むことができました。
記事によると、ディスレクシアの特性がある人の読みにくさを解消するための専用アプリもあったのですが、調べてみると、読みたい本の読書をいつでも助けてくれるインフラとしての成熟度はまだまだという印象でした。一部の人の特殊なニーズには、世の中はなかなか応えてくれないんだな…そう思って、肩を落としていました。
そんな折、ひょっとすると…と思い、読書嫌いの息子に確認したところ、やはり、わたしと同じような読めなさを感じていたことが発覚してしまいました(悲)。まだまだ可能性のある、若い息子には豊かな読書人生を歩んでほしいと思い、なにか読みの困難を助けてくれるものはないか、もう一度調べ直すことにしました。
すると、灯台下暗し!!
雑誌を眺めるためにずっと使っていた電子書籍アプリに、読み方に関するいろいろな機能が既に装備されていることがわかりました。画面の見え方が違えば読めるなんてことに気付いていなかったので、メニューを触ったことすらなかったのですが、読みづらさを抱える人に優しい機能が実はたくさん装備されていたのです。先述のアプリが世の最先端なのだろうと思い込んでいたので、嬉しい誤算でした。
機能を使ってみると、わたしは、行間を広く、文字を大きく、つまり1ページあたりの情報量を少なくすれば、縦書きであっても難なく読めるということがわかりました。ついでに文字の背景は白ではなく、クリーム色に設定すると、読みやすさが格段にアップしました。
そのおかげで、冒頭で触れたように、読み始めたその日に完読することができただけでなく、苦行ではない楽しいひとときとして、初めて読書を味えたのです。
言葉は思考の材料です。そして、読書が言葉の獲得に大切な役割を担うことも、まだ見ぬ事柄についての疑似体験を与えてくれることもよく分かっていました。知的好奇心も、読む意欲もありました。
知性を磨くのに不可欠な読書に憧れを抱きながら、いい年して数冊しか読了していない自分にずっとコンプレックスを抱いてきました。
わたしのように、重度ではないけれど、読むことに困難を抱えている子どもが、実はたくさんいるんじゃなかろうかと、居ても立っても居られなくなって、この記事を書きました。
もし、お子さんが読書を嫌がっているようなら、ぜひ一度、電子書籍を試してあげてください。
わたしが使っている電子書籍アプリ
~『読書嫌い』が覆るかも!?~
Amazon の Kindle を使っています
1アカウントにつき、デバイス6台まで利用可能です。
Kindle内で複数アカウントを切り替えるような使い方は基本的にできません。つまり、家族間で本棚を完全に共有するということです。読んでいることを知られたくない本があれば、他のアプリで利用するなどの手段を取る必要があります。
Kindleアプリの “読みの困難”を助けてくれる機能
- フォント:ゴシックor明朝の選択、文字サイズの設定
- ページの色:文字背景の色選択
- 連続スクロール※1:横書きの書籍で、ページめくりをする必要なく、ずっと下にスクロールして読み進むことができます。
- 間隔:上下左右の余白の設定
- マージン:行間の設定
- 読書用定規※2:いわゆるハイライトの役割を果たしてくれます。読んでいる行だけに色付けするような設定が可能で、わたしの場合は注目を維持しやすくなります。定規の色、透過度、スタイル、定規の幅の設定ができます。
※1 横書き書籍のみ
※2 一部書籍のみ
※Kindleでは 縦書き⇔横書き の切り替えはできませんが、自分の読み特性に合わせてセットアップすれば、わたしの場合は縦書きでも難なく読み進めることができました。
参考)『読書嫌い』が覆った、わたしの画面設定(例)
Audibleという、読み上げサービスもありますが、わたしには聞き取りの困難もややあり、ずっと集中を維持するのが難しく、Kindleの機能のほうが読書の支援としては断然ありがたいです。
読書があまりに楽しかったので、KindleUnlimitedに申し込むことにしました。200万冊が読み放題になります。息子と私で使うのに月額980円。高くはないかなと思っています。30日間の無料お試しができるので、実際に使用感を確かめてから、サービス利用を検討することできます。
こちらからKindle Unlimitedの無料体験ページに行けますあの日から毎日ちょこちょこと読書している自分に感激しています。
わたしと同じような読書難民が一人でも救われたら、とてもとても嬉しいです。