ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
ASD特性

“記憶と読書”の困難は視覚機能(ビジョン)に関係があった件

ASDの息子と噛み合わずに困惑と衝突を繰り返す日々でしたが、特性を理解し、きちんとサポートできる母になりたくて奮闘してきました。
これまでの子育ての学びや気付きをこのブログでご紹介することで、同じ境遇の方のお役に立てたらうれしいです。

発達障がいの人は、視覚機能に機能不全があることが多く、視覚機能がうまく機能しないことで、情報処理や運動に影響が出やすいようです。

実際、息子は定規での線引きや、コンパス、折り紙などに苦手さが如実に表れていました。
中学生になった今でも、学校から受け取ったプリントをきれいに折りたたむには集中力と時間を要するため、基本的に角がきちんと合わさったプリントが母に届くことはありません(汗)

視覚機能は鍛えることができ、ビジョントレーニングがその手段として有効だと一般的に言われています。

我が家も、息子を引き連れてトレーニング機関に足を運んでいた時期がありましたが、トレーニングがスポーツインストラクターによるもので、視覚、脳科学の専門家によるものではなかったこと、発達特性がある子どもの専門機関ではなかったために子どもの扱いが適切ではなかったことから、効果を実感するどころか、息子の負担になってしまったので継続を断念した経験があります。
ビジョントレーニングを謳う機関は数多くありますが、通所を検討されている方は、機関やトレーナーの経歴などをよく確認されることをオススメします。

今回は、そんな『視覚機能』についてわたしが実際に体感したことについて、ご紹介しようと思います。

わたしの視覚機能の問題と、それに付随する困り事の例

まず、前提としてご説明しますが、息子だけでなく、母であるわたし自身にもやや発達特性があり、記憶に困難があることを自覚して生きてきました。

具体的にいちばん難しかったのは、“フォーメーション” を覚えることでした。

フォーメーションというのは、構成・編成を表す言葉で、サッカー・バスケットボールなどで、オフェンスまたはディフェンス時の各プレイヤーの配置や、その配置からの展開(動き方)の型を予め決めたものです。

特性はあるものの、知的に問題はなく、自分で言うのもなんですが、どちらかと言えば成績は優秀なほうでした。だからこそ、自分で自分に違和感を覚えるほどの「覚えられなさ」にずっと悩まされてきました。なぜなの(涙)?…と。

今思うと、視覚機能の弱さから、インプット(入力)が上手くいっていなかったのだと思います。
視覚機能には大きく分けて、入力(眼球運動)、情報処理(視空間認知)、出力(目と手の協応)の3つがあります。
さらに眼球運動には、「追従性眼球運動」「衝動性眼球運動」「輻輳ふくそう・開散運動」があり、そのうちの「追従性眼球運動」がわたしにとってのネックになっていたことが分かりました。
※視覚機能の詳細ついては、今回言及しませんので、ご自身で各キーワードを検索してみてくださいね。

「追従性眼球運動」というのは、対象物の動きに合わせて滑らかに、対象物と同じ速度で眼球を動かす運動のことで、それができないと以下のようなことに影響が及ぶのだそうです。

  • 本に書かれた文字を目で追う
  • 動いているものを目で追う

上記は、まさにわたしの苦手分野です。
「本に書かれた文字を目で追う」のが困難だから、紙媒体での読書は簡単ではありません
「動いているものを目で追う」のが困難なので、フォーメーションを覚えることができません

すべて腑に落ちました。

追従性眼球運動の機能不全に、たまたま対処できてしまった実体験

そして、今回の本題です。

実は視覚情報がうまくインプットされれば、その次の情報処理出力うまくいくことを体感しました。実際にどんなことが起きたのか、皆さんに共有したいと思います。

それは、最近はじめたダンスレッスンでのできごとです。

長年ダンスに強く惹かれながらも、年齢的に恥ずかしくて踏み出せない自分がいましたが、オンラインならとレッスンを受けはじめました。

ドキドキしながらの初回。曲に合わせた振り付けで踊るとのこと。
よりによって振り付けなのか…記憶に不安のあるわたしは、緊張しながらレッスンに臨んでいたのですが、自分でも信じられない事態が起こりました。

先生にも驚かれるほど、スラスラと振付を記憶し、踊ることができたのです。

あれ?なんでだろう???
高校時代はとても苦労して覚えたはずなのに…????????

ダンスは高校時代に文化祭で踊って以来だったので、特に経験もありません。
一体なにが高校時代と違うのか?…ハタと気が付きました。

オンラインですので、先生は当然画面の中にいます。
お手本の先生、つまり見る対象が小さい” から、眼球の追従運動の幅も小さいのです。
眼球をあまり動かすことなく、視覚情報をインプットできる。

だから、入力 ⇒ 情報処理 ⇒ 出力 までがスムーズにできたとしか説明のしようがありません。

別記事でも書きましたが、読書ができるようになったのも、間違いなく同じ原理です。
眼球の追従運動がを最小限になるよう画面内の字数を制限したから、読めるようになったのです。

自分を長年悩ませていたことが解明されて、対処法が見いだせるようになるのは、シンプルにとても喜ばしいことです。
息子のこれからにも活かすことができるかもしれません。

ビジョントレーニングするのもありだと思いますが、眼球の追従運動の苦手に対して、そもそも追従運動の必要性をなくすといった工夫での対処に可能性を見い出せたのは大きな収穫です。
試してみる価値はあると思うので、今後その活用シーンを模索していきたいと思います。

また、わたしのこんな実体験が、どなたかのお役に立てたら幸いです。

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