ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
ASD子育て

【視覚支援】失敗からの学び ~グッズづくり~

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ASDの息子と噛み合わずに困惑と衝突を繰り返す日々でしたが、特性を理解し、きちんとサポートできる母になりたくて奮闘してきました。
これまでの子育ての学びや気付きをこのブログでご紹介することで、同じ境遇の方のお役に立てたらうれしいです。

今回は、視覚支援について、失敗から学んだことをご紹介します。

視覚支援とは?

息子には、ASDのほかにAPD(聴覚情報処理障害)の特性もあります。
耳から得た聴覚情報より、目から得る視覚情報をもとに活動するほうがスムーズなので、やるべきことなどを、口頭で伝えるのではなく、目で見てパッとわかる情報にしてサポートします。
これを視覚支援といいます。

【実例】大失敗だった わたしの視覚支援カード

やるべきことを淡々と機械的に進められるほうがいいだろう…という親切心のつもりで、やるべきことを事細かに洗い出し、すべてカードにして、『さぁ、このカードに書かれたことを一つずつ、ただ黙々とこなしていけばバッチリよ!』というような支援の仕方をしていました。

わたしは満足げだったのですが、息子には苦痛でならなかったようです。
なにがどのように嫌なのか?特性ゆえにわたしに説明もできないまま嫌々やることになった息子と、その態度にイライラするわたしとで、衝突することになりました。

良かれと思ったことが裏目に…
支援どころか、最悪です。

【考察】なにが失敗だったのか?!

失敗1 “多い” は息子にとって超ネガティブだった

まず、息子はパッと見て『負荷が大きそう』と感じると、途端に拒絶反応を示します。
視覚優位だから、余計にでしょうか。
負担が大きく見えた理由は“カードの枚数が多すぎるから”です。

ネガティブの理由

視覚優位(目からの情報が主な判断の材料)なのにパッと見てわかるほど多かった
定量的(物事を数値や数量に着目してとらえる)な思考の特性があるのに、30枚以上もある

また、枚数が多くても、“淡々とこなせば大した時間は掛からない”というイメージを持つことができれば、そこまでのプレッシャーにはならないと思いますが、そのようにちょっと視点を変えるということも苦手な特性への配慮が欠けていました。

完全にシャットアウトです。
やれと言われたから仕方なくやる。全身から負のオーラが…

『多い』は、息子には超ネガティブだったことが頭から抜け落ちていました。

失敗2 ”明日の準備”の『定義』があいまいだった

抜け漏れなく、どんな日にも対応できるパーフェクトなカードなんて作れません。
カードに記載のない、やらなければいけないことがどうしても発生します。

やはり、根本の“明日の準備とはどういうことその目的はなにか?を理解していないと適切な行動をすることはできません。

ついつい『明日の準備といえば、だいたいわかるでしょ?』という感覚で息子に接してしまうのですが、通用しません
明日の準備という概念は、実はとてもあいまいなものです。
親子のやりとりの中で、“明日の準備”のイメージをなんとなくすり合わせていく…ということもASDタイプには期待できません。

つまり別の記事で書きましたが、教えてもらっていないこと明確に伝えてもらわないことは、わからないのです。

【実例】”明日の準備”の『定義』づけ作業

息子は合理脳なので、必要性を見いだせていないことを実行するのは得意ではありません
ですので、行動の目的は何なのかを説明します。

【明日の準備の目的】
  1. 遅刻しないため
  2. 当日の朝、準備に手間取ったり、寝坊したりして、慌てないため
    ⇒事故に遭うリスクが高まるから
    ⇒忘れ物をするリスクが高まるから
    ⇒パニックになる可能性があるから

また、明日の準備を具体化してリストアップする必要もあります。
できれば、文章ではなく、なるべく視覚的に処理がしやすい箇条書きのリストとして見せてあげます。

【明日の準備とは】
  • 明日必要なもので今日入れられるものリュックに入れること
  • 今日のうちにリュックに入れられないもの(スマホなど)は、持ち手付きBOXに入れておく
    ∟明日の朝、そのBOXを持ってリビングに行く
  • 明日着る衣類の準備を完了すること

    ⇒明日の準備とは、明日の朝、朝食と身支度だけで済むようにすること

リストに加え、我が家では図説もしています。
バックへにものを入れる順番

こういった大前提についてしっかり共有せず、大量のカードをこなすことだけを強要することになっていたのです。
息子が主体的に取り組めるわけがありませんでした。

いちばん大切なのは話し合うこと

すべきことを一方的に告げるのではなく、丁寧に共有する
どんな形態が息子にとって好ましいのか、本人にヒアリングしながら決める

【実例】現在の支援のカタチ

学校の教材や道具は、ほぼ全てを学校に置いておく、もしくは全てを持ち運ぶ方式を彼は採用しています。本人がそれが良いようなので、ここは尊重しています(笑)

例えば、部活の持ち物など、毎日ではないものは画像を用いたチェックリストにして壁に貼っています。
画像を用いて視覚的にわかるリストを作成

また、カードはほぼ不採用とし、例えば体操着を用意するというタスクについては、カードに代えて、巾着袋のほうに “入れるもの” がわかるように記載しました。
巾着になにを入れるか記載します
他にも小袋をたくさん用意し、それぞれの袋しまうべきものラベリングするようにしました。
しまうにも、取り出すにもよいガイドになります。

さらに、我が家では、視覚情報ではありませんが、ピンポイントでアレクサも活用しています。
コロナ禍では検温忘れは厳禁なので、朝、アレクサにリマインドしてもらっています。

【まとめ】支援の取り組みの指標

あれこれ工夫してつくったもので、思い入れがあると、なかなか切り替えられないものですが、そこは自ら潔く却下する冷静さを持つことが重要だと痛感しました。

いろいろなアイデアがネット上に転がっていますが、必ずしも我が子に合うとは限りませんので、すり合わせながら少しずつバージョンアップしてあげないといけないことも肝に銘じています。

また、書字にも苦手があるので現段階ではやらせていませんが、やるべきことをリストアップしたto doリストを自分で作って、日々管理できるようになるのが将来的なゴールかなと思っています。

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