ASDタイプに…教えるポイント、分かりにくくてゴメンなさい!リライトしました!
ASD子育て

【視覚支援】口頭やりとりの見える化で楽になる

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ASDの息子と噛み合わずに困惑と衝突を繰り返す日々でしたが、特性を理解し、きちんとサポートできる母になりたくて奮闘してきました。
これまでの子育ての学びや気付きをこのブログでご紹介することで、同じ境遇の方のお役に立てたらうれしいです。

ASDで、APD(聴覚情報処理障害)の特徴のある息子との会話は、他愛もない日常会話であれば特別な対応は必要ないのですが、込み入った“話し合い”のような場合は口頭だけでやりとりするのはとても困難です。

口頭やりとりの困難の理由を2つと、見える化の我が家の実例2つをご説明します。

理由1 着目の仕方が違うから

話し合いをすると、以下のようなことがしばしば起こります。

  • 前後関係を意識しながら会話を進めることが苦手
    話の筋道が通らない
  • 細部に着目・執着してしまう
    話が本筋から離れてどんどん脱線していく

これは、モノの見方の違いからくる困難(コミュニケーション上のミスマッチ)と捉えています。
息子と話し合うとき、とにかく噛み合わないのが幼少期からの困り事でした。
なぜ噛み合わないのか?数年かけてわかったのは、ものごとへの着目の仕方、目の向け方が違うということです。ここでは、実際の眼球運動というよりも心理的な着目を指しています。
下図のように、ASDタイプの息子は点でモノを見て、定型タイプは面的にモノを見ています。

https://asdsupporter.blog/ 着目の仕方の違い

着目の仕方が違うので、スムーズに話し合いをするためには、話の全体性や前後関係などがつかみやすいように、見える化する必要性があるのです。

理由2 表面化していないものを読み取る(想像する)のが苦手だから

秘すれば花というような、言葉にしないで通じ合うことを美徳とする感覚が日本人には深く深く刻み込まれています。また、皮肉、忖度、行間の含みなど、日本人のコミュニケーションには、あえて伝えない気持ちが散りばめられています。
これはASDタイプの人がもっとも苦手とするものなので、わたしは息子のために抜本的に意識改革しなくてはなりませんでした。

家庭でのやりとりで、伝わってないな、噛み合っていないな、と思うときにはわかるようにしてあげる必要があります。

例えば、息子を思いやってしたことは、こちらが説明しない限り、そこに思いやりが存在していることに息子は気付きません。
もちろん、それで良しとする場面もありますが、臨床心理士の先生曰く、“こちらが好きで勝手にやっている”ものとして感謝の対象ではなくなってしまったり“してもらうのが当たり前”というような“思い上がりや勘違い”につながったりしがちだとのこと。
そういうわけで、思いやりの存在を説明をする必要があるときもあります。自分の思いやりについて自ら語るなんて気恥ずかしいのですが…
また、意識下のものを掘り起こして言葉にしなくてはならないので、実は簡単ではなく、説明に苦戦することも多々あります。

口で言ってもどうしても伝わらないとき見える化してあげる必要があります。

見える化1 コミック会話

前述の2つの理由から、見える化してあげることがASDタイプには望ましいのですが、例えば以下のように見せてあげると理解がスムーズになります。このような形式をコミック会話といいます。
漫画のように、話し手のセリフと心情を書き出します。
こうすることでASDタイプも、相手の言外にどんな気持ちがあったのか?を理解することができます。

以下の例は我が家の実際のエピソードなのですが、噛み合っていないことに息子は気づいていませんでした。
会話だけを書き出したものと、
そこに表面化していない心情を加えたものを比較してみてください。

心情なし
心情あり

会話が噛み合っていないことと、母の心情を理解してもらうのに効果的です。
細部に着目するASDタイプの息子は、会話の一部の自分の関心のある部分(黄色マーカー部)にのみ着目して以降の発言をしていることがわかります。
わたし自身、起きたことの整理と把握に、コミック会話の有効性を実感しています。

ただ、この方法は、手間がかかるので親のほうには実はハードルが高いものです。
でも、ASDタイプにとってはとても分かりやすいアプローチなので、どうしても紛糾してしまったときには時間をとってでも取り組んでみてください。
そのほうが解決が早いかもしれません…(汗)

見える化2 スマホを活用した音声からの文字おこし

スマホのホーム画面に、付箋紙のようにメモを貼っておけるアプリがあるのをご存知ですか?
ホーム画面に貼られた付箋紙(メモ)をタップすると、すぐ文字入力ができるすぐれものです。

我が家では、息子と話し合いをする必要が生じたとき、この付箋紙アプリをよく活用しています。
といっても文字入力するのではなく音声を文字に変換してくれる機能を利用します。
マイクボタンを押してから会話すると、即座に会話が文字情報に変換されてメモに入力されますその画面を二人で見ながら話を進めていきます。
聴覚情報だけでは処理しづらいAPDの特徴もあるので、音声データを即文字データに変換してくれる機能はとても便利です。

例えば、

ウィジェット メモ アプリ

と検索してみてください。
iPhone、android端末のアプリ情報インストール手順などの情報がたくさんヒットします。

コミック会話をする余裕のないときに、サブツールとしてオススメです。
目で情報を共有しながら、お互いの理解を深めていけたらいいですね。

視覚支援についての別記事も宜しければご一読ください。

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